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  3. 五感を強くする食育

五つの感覚機能

私たちが生きていく上で、なくてはならない「五感」がありますよね。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つは、古くから知られている感覚機能です。
この五感は、実は食育で生き生きとしたものに鍛えていくことが出来ること、知っていましたか?

味覚教育の権威が展開する、五感を育てる食育とは?

五感を育てる食育方法を展開しているのは、フランス味覚研究所の創設者であり、味覚教育の権威でもある、ジャック・ピュイゼ教授です。
彼が考案した「ピュイゼメソッド」と呼ばれる味覚教育方法は、フランスで過去三十年間、十万人近い子どもが受けたと言われているほどなのです。
五感を開花させる味覚のトレーニングメソッドは、大きな評判となったのです。

そんなピュイゼ教授と共同で、この食育方法に取り組んだのは、日本の軽井沢ホテルブレストンコートの統括ディレクターである梶川俊一シェフ。
ホテルで承る披露宴の料理メニューを見ているうちに、子どもたちの食生活の変化を感じ取るようになり、この食育プログラムの発案へと至りました。

ちなみに、日本向けの味覚教育のプログラムを作ったのは、この二人のものが初めて。
まさに食育の歴史に名を残す一歩であったと言えるでしょう。

この二人が作り上げた食育の授業は、2005年以降、長野県内の小学生に向けて毎年開催されています。
2008年には、出張食育講座も実施され、近年では、母親向けの食育講座も開催されており、その勢いは止まるところを知りません。

味覚教育のポイントはどこ?

味覚教育を行う場合、子どもは幼すぎても難しくて理解が出来ませんし、成長しすぎていても、食の嗜好などが定まりすぎてしまっていて難しくなってしまいます。
ピュイゼ教授のメソッドの場合は、適齢期は小学三年生と四年生。
梶川シェフと共同で編み出した食育講座もまた、適齢期は小学三年生と四年生になっています。

ピュイゼ教授がフランスで展開していた食育方法は、あくまで子どもたちのみが受けるものでした。
しかし、日本で展開されたこの食育方法は、講座こそばらばらですが、親子が受けるものとなっています。
子どもたちが受けた講座を、大人が更に把握することで、家庭での食生活にも内容が反映しやすいというのが理由です。

この食育方法のスローガンは、「おいしく、何でも食べられる」というもの。
これを実践するために、梶川シェフが紹介している調理ヒントは、「ペアカラー作戦」「かりかりスナック作戦」「ご当地郷土食作戦」の三つです。
見た目、食感、香りや伝統文化など、まさに人間が持つ様々な感覚を呼び覚ませるプログラムとなっていますよね。

食事は生きていく上で絶対必要なもの。
それが楽しいものであれば、人生はより色度豊かなものとなるでしょう。