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  2. 目指せ食育!

朝食は大切!

朝食は大切

食育において、朝食の大切さが重視されている理由はご存知でしょうか。
それは、朝食が体温を上げ、一日の身体リズムが整うことで、活動的に慣れるからです。
子どもたちの健康状態だけではなく、学力や運動能力に大きなメリットをもたらします。
今回は朝食の大切さについて解説するとともに、朝食にとりたい栄養や役立つ方法についてご紹介します。

朝食は一日の大事なスイッチ

朝食は睡眠中低下した体温を上昇させ、1日の始まりに脳や身体機能をウォーミングアップさせる効果があります。
朝食に炭水化物とタンパク質などを摂取することで、体は体温を上げようとしたり、体内のリズムを整えてくれます。
また、朝食をとることで排便のリズムが整い、肥満予防につながります。

朝食を食べることで体のリズムも整えられる

人間の体には体内時計があります。一日単位で睡眠や体温、血圧、ホルモン分泌などの変化を司る大切な機能です。
健康に過ごすために欠かせない体内時計は、光と関係があり、太陽が昇っている間は活動的になり、沈むと休みなさいと働きかけてくれます。
これを体内リズムといいます。
体内リズムが生活リズムとズレると、体にはとてつもないストレスです。
ズレによって体と心のバランスが保てなくなり、感情が不安定になってしまうことも。
体内リズムと生活リズムのズレをなくすには、朝食を食べることが大切です。
体と心にとって快適なリズムを子どものうちに覚えさせるために毎朝しっかり食べる癖をつけましょう。

朝食を抜くとどうなる

脳は夜中も活動し続けるため、朝にはエネルギー不足の状態です。
朝食を抜くと、エネルギー代謝が低い状態で午前中を過ごすことになり、脳や体を動かすエネルギーが不足してしまいます。
朝食のご飯やパンには脳のエネルギー源になるブドウ糖が含まれています。
脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食で補給し、脳と体をしっかり目覚めさせましょう。

朝食のとるべき栄養素

どうして朝食が大切なのか触れましたが、とにかく口に入れればいいわけではありません。
朝食がご飯やパンだけだと力が発揮できないため、朝食に必要な栄養素を紹介しましょう。

炭水化物

炭水化物は1日をスタートさせる活力源です。朝食には必ずご飯やパンなどの炭水化物を摂りましょう。
炭水化物は脳のエネルギーとなるブドウ糖になるので、脳が活性化し、体も目覚めてくれます。

タンパク質

子どもの朝食には、肉や魚、卵などのタンパク質が不足しがちです。
「朝からお肉はちょっと…」と思うかもしれませんが、タンパク質は1日3回バランスよく摂りましょう。
タンパク質が豊富な食材はトリプトファンというアミノ酸を含みます。トリプトファンは精神を安定させる神経伝達物質セロトニンの材料です。
セロトニンが不足すると気持ちが塞ぎがちになり、何をするにも億劫になってしまいます。
トリプトファンを摂取してからセロトニンが合成されるまで時間がかかるため、朝もタンパク質を摂りたいところです。

ビタミン

体の調子を整えるのになくてはならない栄養素です。
特にビタミンB群が重要で、ビタミンB群が不足すると、炭水化物やタンパク質を摂取しても、体内でスムーズにエネルギーが作れなくなります。
また、虫歯や皮膚炎といったデメリットもあるので、必ずビタミンも摂るようにしましょう。

ミネラル

カルシウム、リン、カリウムなどのミネラルも、体の臓器や組織をスムーズに働かせるために必要です。
ミネラルは体内で作れないため、食べ物から摂取しなければなりません。
ミネラルが不足すると、骨の発達が悪くなり、免疫力が落ち、貧血といった症状が現れます。
ただし、摂りすぎても体に良くないため、バランスよく摂ることが求められます。

朝食におすすめの食材

朝食におすすめの食材をご紹介します。

良質なタンパク質が含まれており、長時間内エネルギーを放出してくれます。
また、腹持ちがよく満足感も得られるため、間食防止に役立つでしょう。

ナッツ類

ナッツは良質な脂質である「不飽和脂肪酸」が豊富です。不飽和脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを減らしたり、中性脂肪を下げたりする作用があります。
また、よく噛んで食べることで満腹感がますので、食べ過ぎ対策にも役立ちます。

サーモン

サーモンには良質なタンパク質のほか、血流を促す「DHA」や「EPA」が豊富です。魚に含まれるDHAやEPAは、朝に摂ることで血中濃度が高まりやすいことが明らかになっています。
また、サーモンに含まれる色素成分であるアスタキサンチンは活性酸素を除去する作用があり、LDLコレステロールの酸化を抑える作用も期待できます。

ほうれん草

ほうれん草には貧血対策となる鉄を多く含んでいます。スムージーにしたり卵料理と組み合わせると食べやすくなるでしょう。
糖質の代謝に関わるビタミンB1も豊富です。ご飯やパンなど、糖質が豊富な食品と組み合わせるとよいでしょう。

果物

ビタミンやミネラル、食物繊維など1日に必要な栄養素を含む果物。
特にブドウ糖などのエネルギー源を多く含むバナナ、果物の中でもずば抜けた栄養素バランスを誇るリンゴがおすすめ。
すぐに食べられるので忙しい朝にピッタリです。
タンパク質を含むヨーグルトなどの乳製品と一緒にとると腹持ちがよくなります。

朝ごはん、パンとご飯どっちがいい?

惣菜パンにスイーツさながらのパン、フランスパンのようなハード系など、さまざまなタイプのパンがあります。
ご飯よりもパンが好きという子どもも多いですよね。
一方で、ご飯はパンに比べて水分量が多く、少量でも重さがあるのでお腹にたまるので腹持ちがよいというメリットがあります。
子どもの食育にはどちらがいいでしょうか。
朝食を食べるのであればどちらでもいいのですが、おすすめはご飯です。
パンは小麦粉から作られる加工食のため、作る際に塩分、糖分、添加物、油など入ります。ご飯にはそれらが含まれていません。
また、ご飯は飲み込むために何度も噛む必要があります。よく噛むことで顎が育ち、将来の歯並びやお口の環境にもよい影響を与えてくれます。
パンを食べるなら食パンを選ぶといいでしょう。菓子パンや総菜パンは食べやすいように食パン以上のバターが作られているため、シンプルな食パンがおすすめです。
近年増えてきた、米を砕いて粉にした米粉パンでもいいでしょう。

朝食を食べる習慣を身につけるためのポイントとは

今まで朝食を食べていなかった場合、その習慣を変えるのはなかなか難しいことです。朝食を食べる生活に切り替えるためのポイントについて解説します。

夕食は軽く済ませる

夕食を食べる時間が遅い場合、軽めに済ませてできるだけ早く寝るようにしましょう。
夕食の食べ過ぎは肥満につながるだけではなく、食べたものを消化するために睡眠中も体が起きているため、質の良い睡眠を取ることができません。
また、寝る前にお腹いっぱい食べると朝起きてもお腹が空かず、朝食を食べる気になりにくくなります。
夕食を軽く済ませることで、朝起きた時に適度な空腹を感じられるようになります。
子どもの場合、夕食は午後6時までにともいわれていますが、現実的ではありません。それでも、できるだけ早く食事を済ませれば、翌朝には消化も終わっているはずです。
可能であれば7時には食べ終え、間食はせず、遅くても10時までには寝るようにすると、早起きでき朝食も食べやすくなるでしょう。

早起きする

起きてすぐだと、なかなか朝食を食べる気になりません。早めに起きて少し活動してから食卓に向かうことで、体も目覚めて朝食をおいしくいただけるでしょう。

朝食を無理なく食べるためのステップ

食欲がないという場合、口当たりがよく簡単に食べられる牛乳や果物、野菜ジュースから始めてみましょう。
次に手軽に用意できるステップに。時間があればジャンプに挑戦!

ホップ!

食欲がなければ牛乳や野菜ジュース、バナナなどの果物から。
20~30分早く起きて、少しでも食べることから始めましょう。

ステップ!

おにぎりや目玉焼きなど手軽に食べやすいバランスよく2種類以上を組み合わせてみましょう。

ジャンプ!

主食、主菜、副菜を揃えて、バランスの良い朝食を食べましょう。
果物、乳製品も朝食で取り入れるとより良くなります。

朝食を食べる習慣があると幸せを感じやすくなる?

古いデータですが2010年に20代から60代のビジネスマン1000人を対象に「幸せ度とライフスタイルに関する調査」がありました。
この調査によると、朝食を食べる習慣のある人は、習慣のない人に比べて、自分が幸せだと感じている割合が高いことがわかりました。
朝食を食べる習慣のある人は、仕事や余暇活動に満足している割合が多く、経済的にも満足しています。
一方、朝食を食べる習慣のない人たちのデータを見ると、経済的な余裕を重視しており、イライラしたり不安な気持ちになることも多いようです。
休日はゴロゴロと横になって過ごし、仕事にも後ろ向きな様子。
朝食の習慣があるから心身ともに健康で、仕事にも家庭にも満足度が高いのか、それとも経済的などの満足度の高い人が朝食の習慣を保ちやすいのか興味深いところです。
これだけの相関関係があるのなら、まずは朝食の習慣を身につけることで、幸福度をたかめるきっかけになるかもしれません。

また、朝食の習慣がある人の、朝食の内容についても調査するとバナナやリンゴなどの果物、サラダやおひたしなどの副菜を摂っている人たちはより幸せ度が高い結果になっています。
色々な料理を組み合わて食べており、栄養バランスのよい朝ごはんを食べることが推察されます。

別の調査ですが、「早寝早起き朝ごはん」運動によると朝食を毎日食べている子どものほうが、国語、算数ともに成績がもっともよく、どちらかというと食べる、あまり食べない、まったく食べないの順に成績が下がっていました。
朝食を食べることで脳にエネルギー源であるブドウ糖が送り込まれるからと考えられます。
脳の発達においても朝食は非常に大切なのです。
子どもの食育の一環として、朝食の大切さに目を向けてみてください。

食育セミナー

日頃の食生活

日々の暮らしで摂取している食べ物について深く考えたことはありますでしょうか。現在は、メニューを注文するだけで、手軽に食事ができるファーストフード店のようなものや、インスタント食品のような手間や暇をかけずに、美味しい料理を食べられるような時間に余裕のない人でも効率的に食事ができる利便性の高い食生活ができます。

ですが、いくら利便性が高いといっても、そればかり食べてしまっては、栄養が偏ってしまうのが難点です。それに、栄養士として仕事に携わっている私には、栄養バランスの良い食生活を心がけてほしいという気持ちもありますし、美味しい食事を楽しんでほしいという気持ちもあります。

また、このような食生活を子どもが習慣化してしまうと栄養バランスが偏ってしまい、健康的で丈夫な体を作ることはできません。体調を崩しやすいことから学習面にも影響を及ぼしてしまうでしょう。

新潟で開かれている食育セミナー

新潟大学では、食事の重要性を理解してもらうために、大学生向けの食育セミナーを開催しています。この取り組みは、2013年6月に第1回が開催され、現在に至るまでに既に10回以上のセミナーが開かれています。講演だけではなく、実際に参加した学生に食べ物を試食してもらったり、実習牧場を設け酪農体験を実施したりなど、様々な授業形式があるようです。

また、過去の講演会を動画で視聴できるようになっているため、開催された食育セミナーについて振り返ることが可能です。この食育セミナーでは、100名以上を超える学生の参加もあるため、人気のセミナーともいえるでしょう。参加した学生の感想には、和食の奥深さや魅力について知り、これからの料理を考えていく人や、実際に試食をしてみて食べ物の特徴や美味しさを知った、という声もあり食育セミナーを通して食材や食事に対する意識が高まっているといえます。

子どもから大人向けのセミナーも

新潟大学で開催されている、大学生向けの食育セミナーもありますが、インターネットで探してみると、新潟大学だけに限らず、北海道から沖縄まで、多くの場所で食育セミナーが開かれていることがわかります。

その中には、子どもから大人まで幅広い年齢の参加を募集しているところもあります。また、義務教育に達していない子どもの参加費用を無料にしているセミナーも。小規模で開かれるところや150以上の定員を設ける、多人数で開かれるセミナーもあります。

こうした、食事の重要性に関する理解を広める活動は、とても大切だと私は思っています。ライフスタイルの多様化に伴って、個人の生活スタイルも大きく変わっています。その中で、体調管理ができるように、また、健康で丈夫な子どもの身体を作れるように食べ物の大切さを理解して欲しいと思っています。

学生向けのマンションや寮の食事

「新潟大学の学生マンション」には食事付きの物件が多く、栄養バランスが考慮された食事が学生に提供されています。

和食だけではなく、洋食も提供されることもあるようで、栄養バランスが偏りがちな学生でもこうした食事付きのマンションや寮に住むことで補うことができるのも魅力的です。

このように、セミナーを通して日々の食事に対する見方や考え方にも変化があったり、実際の生活で活かせる部分も増やしていけるのではないでしょうか。

ホテルで食育体験!

ホテルのビュッフェで食育

食育の父として知られる服部幸應さんと、恵比寿ウェスティンホテルの沼尻総料理長がコラボレーションした「食育ビュッフェ」は、開催された時期にとても大きな話題となりました。
ホテルのビュッフェで食育を行うというのは、業界としても初めての試みだったのです。
この食育におけるポイントやメリットは、一体どのような部分にあるのでしょうか?

食育というと、どうしても家庭での食事や学校給食ばかりをイメージする人が多いのですが、実は外食も重要な食育の機会なのです。
子どもがある程度自分で食べるものをチョイスする場所ですから、食事の選び方についても体験することが出来ますしね。

そして何より、外食は非常に思い出に残りやすい食事風景なのです。
どこに誰と行ったか、何を食べてどんな味がしたのかなど、子ども心に鮮明になりやすいポイントがたくさんありますよね。
いつもと違う場所での食事であれば、味や素材も印象に残りやすいですし、それがホテルのビュッフェという特殊なシチュエーションであれば尚更です。

思い出に残る食事があることは、食育にとってとても大きな役割を持ちます。
この食育ビュッフェは、そこにも狙いがあったというわけです。

ビュッフェから得られる食育ポイントについて

ビュッフェとは、並んでいる食事から自分が食べたいものを好きな量持ってくるというスタイルの食事です。
小さな子どもからしてみれば、夢のような風景であるとも言えますよね。

この食事を持ってくるシーンから、既に食育のポイントはたくさんあります。
たとえば、何をどのくらいの量持ってくるのか。
栄養バランスが整ったものでなければいけませんから、肉ばかり、野菜ばかりになってしまってもいけませんし、欲張って食べきれない量を持って来てしまうのもいけませんよね。

また、いざ取ってきた食事を食べる順番も大切です。
いつもの食事と違うスタイルであっても、正しい順番で食事が出来るように指導しなくてはいけません。
このときのマナーについても、きちんと守らなくてはいけないですから、ホテルビュッフェの食育は、むしろ家庭時よりも盛りだくさんになっていると言っても良いかもしれません。

更に、このホテルビュッフェを企画した服部さんは、この機会に家族での会話をたくさんしてほしいと話していました。
家庭の食事では、テレビが着いていたり誰かが支度で席を立っていたりして、全員で落ち着いて食卓を囲み、ゆっくり話す機会がない場合も多いのです。
こんな絶好の機会を逃してしまう手はありませんから、何気ない話題でも良いので、いつもは過ごせない和やかなコミュニケーションの時間に当てられるのは理想でしょう。

礼節の食育

食事を楽しむにはマナーが重要

食事におけるマナーは、非常に重要なものです。
礼節が守られていない食卓は、共に囲む人に不快な思いをさせてしまうことがありますし、自分でも食事を快く楽しめなくなってしまう可能性があります。

こんなマナーたちこそ、食育においてはしっかりと教えていかなければならないものなのです。
小さい子どもだからこそ、どうしてこのマナーを守らなくてはいけないのか、違反してしまうとどうなってしまうのかを説明しながら、分かりやすく教えられるようにしたいものですね。

食事中のトイレについて

食事中にトイレには立たないのは、基本的なマナーです。
特にレストランなどの食事施設では、それぞれの料理が最も食べるのに適したタイミングで提供されるものですから、トイレに立ってしまうことで、食事に適切なタイミングを失ってしまう可能性もあるわけですね。

しかし、特に小さな子どもにとって、トイレに行かないというのは難しいものです。
食事前にトイレはすませておく、手荒いをしっかりするということを徹底してあげるようにしましょう。

上手に食事が出来るように教育する

焼き魚を綺麗に食べられることは、和食を食べるときはとても大切なことですよね。
そのためには、まずお箸が上手に使えないといけません。
正しい持ち方を徹底してあげるようにしましょう。

また、お箸だけに限らず、お椀やお皿などの持ち方、手の添え方などを教えてあげるのも忘れないようにしてください。
食事中に手をつかない、テーブルより下にお箸をおろさない、肘をついて食べないなど、食事中の姿勢関係とも絡めて教えてあげるのが良いですね。

洋食であれば、フォークやナイフの使い方やテーブルマナーが存在します。
もちろん、すべてをいきなり出来るようになる必要はありません。
小さな子どものキャパシティに合わせて、成長のペースごとの礼節を身につけさせて上げるのがベストでしょう。

好き嫌いや外食はどうしたらいいのか?

小さな子どもがどうしても直面してしまうのが、食べ物の好き嫌いです。
アレルギーはともかくとして、好きなものばかり食べてしまっていては、当然ながら食育には良くないですよね。
栄養バランスの整った食事をしていく上でも問題がありますから、その後の人生で健康面で支障を来してしまう可能性もあります。

しかし、無理強いをして食べさせるばかりでも、食育面では良いことばかりではありません。
克服というのは、その食材を無理に飲み込めるようになることではなく、食事として楽しめるようになることでもあるのです。
子どもがどうしてその食べ物が嫌いなのか、好きにするための調理工夫はあるのかを検討して、ノルマをつけながら少しずつ食べられるようにしていくのが良いでしょう。

外食に関する栄養バランスも同様です。
ファーストフードや高カロリーのものが必ずしも悪いものではないのです。
食べ物への感謝の気持ちを持って、栄養バランスに問題がない程度であれば、おいしく食べるのもマナーのひとつです。

ソバと食育

そば打ちも身近に

体験スクールや料理教室、自然合宿などの様々なシーンで子どもが多く遭遇する「そば打ち体験」。
誰しも一度は経験したり、あるいは目にしたことがあるのではないでしょうか?

蕎麦は、日本人にはとても身近な食べ物でもあります。
蕎麦専門のチェーン店もありますし、コンビニエンスストアのお弁当や、カップ麺としても広く普及していますよね。
蕎麦をアレンジした様々な食品も存在しており、日本の文化に深く根付いた食材とも言えるでしょう。

実際、蕎麦の歴史はとても古く、お寿司や天ぷらのように、日本独自の発展を遂げてきた食べ物でもあり、その名前は世界的に知られています。
季節の節目にも大切にされる食べ物で、年越し蕎麦はその典型であると言うことが出来るのです。

蕎麦について知ること、蕎麦を自分で作って見ることは、食べ物の歴史を知り、起源を理解すると同時に、子どもたちが季節のことや風土のことを考えるとても良い機会になります。
地方によって蕎麦の特徴が違うこともありますから、自分たちの地域の特性を知ることや、他の地域について興味を持つことにも繋がっていくでしょう。

そもそも歴史と伝統を知ることは、食育にとってとても重要なことなのです。
自分たちで作ると、それらの知識はより深くしみ入りやすいですしね。
蕎麦には、普段身近な食材から、なかなか使用しない食材まで様々なものが使われていますから、原産地などについて学習する機会にもなるでしょう。

自分たちで作るということは?

実際の職人であればいざ知らず、まだ小さな子どもが蕎麦を打つことは、結構な重労働となります。
分量を計って、器具を用意するところから始めれば、かなり大きな仕事にもなります。
苦労をして作り上げた分、その食事に関する経験は、子どもの人生にとって大きなエネルギーとなるのです。

そば打ち体験のような場合は、誰かと一緒に作ることにもなりますから、協力して何かを作り上げるとても良い経験にもなります。
食べるものは命に直結することですから、実はとても貴重な経験でもありますよね。

どのくらいの分量を混ぜ、どのくらいの力が必要で、どんな手間や時間をかけることで自分たちの食事が出来あがるのか、その身をもって知ることで、日々の食事に感謝する心が生まれます。
特に蕎麦打ちの場合は、茹でるために火を使ったり、切るために包丁を使ったりしますから、調理も経験することになります。
毎日の食事を作ってくれている両親や調理師さんに対する感謝の心も生まれます。

感謝の気持ちは、そのまま食事への興味や、礼儀作法にも繋がっていきます。
蕎麦打ちというひとつの体験学習を通して、子どもたちはたくさんのことを知り、育っていくことが出来るのです。

五感を強くする食育

五つの感覚機能

私たちが生きていく上で、なくてはならない「五感」がありますよね。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つは、古くから知られている感覚機能です。
この五感は、実は食育で生き生きとしたものに鍛えていくことが出来ること、知っていましたか?

味覚教育の権威が展開する、五感を育てる食育とは?

五感を育てる食育方法を展開しているのは、フランス味覚研究所の創設者であり、味覚教育の権威でもある、ジャック・ピュイゼ教授です。
彼が考案した「ピュイゼメソッド」と呼ばれる味覚教育方法は、フランスで過去三十年間、十万人近い子どもが受けたと言われているほどなのです。
五感を開花させる味覚のトレーニングメソッドは、大きな評判となったのです。

そんなピュイゼ教授と共同で、この食育方法に取り組んだのは、日本の軽井沢ホテルブレストンコートの統括ディレクターである梶川俊一シェフ。
ホテルで承る披露宴の料理メニューを見ているうちに、子どもたちの食生活の変化を感じ取るようになり、この食育プログラムの発案へと至りました。

ちなみに、日本向けの味覚教育のプログラムを作ったのは、この二人のものが初めて。
まさに食育の歴史に名を残す一歩であったと言えるでしょう。

この二人が作り上げた食育の授業は、2005年以降、長野県内の小学生に向けて毎年開催されています。
2008年には、出張食育講座も実施され、近年では、母親向けの食育講座も開催されており、その勢いは止まるところを知りません。

味覚教育のポイントはどこ?

味覚教育を行う場合、子どもは幼すぎても難しくて理解が出来ませんし、成長しすぎていても、食の嗜好などが定まりすぎてしまっていて難しくなってしまいます。
ピュイゼ教授のメソッドの場合は、適齢期は小学三年生と四年生。
梶川シェフと共同で編み出した食育講座もまた、適齢期は小学三年生と四年生になっています。

ピュイゼ教授がフランスで展開していた食育方法は、あくまで子どもたちのみが受けるものでした。
しかし、日本で展開されたこの食育方法は、講座こそばらばらですが、親子が受けるものとなっています。
子どもたちが受けた講座を、大人が更に把握することで、家庭での食生活にも内容が反映しやすいというのが理由です。

この食育方法のスローガンは、「おいしく、何でも食べられる」というもの。
これを実践するために、梶川シェフが紹介している調理ヒントは、「ペアカラー作戦」「かりかりスナック作戦」「ご当地郷土食作戦」の三つです。
見た目、食感、香りや伝統文化など、まさに人間が持つ様々な感覚を呼び覚ませるプログラムとなっていますよね。

食事は生きていく上で絶対必要なもの。
それが楽しいものであれば、人生はより色度豊かなものとなるでしょう。

噛んで食べるという事

なぜよく噛むの?

「よく噛んで食べること」は、食事においてとても重要なことですよね。
特に、小さな子どもの食事に関しては、そういった指導をする人がとても多いものです。

では、どうしてよく噛まなくてはいけないのか、あなたは知っていますか?
噛むことによって得られる効果は、とても大きなものなのですよ。

咀嚼によって得られるメリットとは?

よく噛むことを「咀嚼」と言います。
咀嚼によって得られるメリットは、大きく分けると次の三つがあるでしょう。

ひとつめは、消化吸収が助けられるようになること。
食べ物をよく噛むことで、消化しやすいサイズになるため、消化器官の負担が減って、内臓が機能しやすくなると言えます。
また、唾液に含まれるアミラーゼと呼ばれる消化酵素とよく混ざることで、消化吸収がとてもスムーズになり、食べ物の栄養をより効率良く摂取しやすくなるのですね。

ふたつめは、免疫力が高まるということ。
これにも唾液が関係しています。
唾液に含まれているIgAという抗体は、母乳にも含まれている高い免疫を誇る物質なので、体調を崩しにくくなるというわけです。
体調を崩しやすい人や、免疫力アップを心がけたい人は、まずは食事をよく噛むところからはじめても良いでしょう。

三つめは、脳の機能を発達させるということ。
あまり知られていませんが、咀嚼運動は脳の働きと非常に密接な関係があるのです。
よく噛むことで、脳の血液量が増加し、脳の機能発達に大きく影響を及ぼすということは、近年の研究でも続々と明らかにされているのです。

咀嚼によって得られるメリット、枝分かれ編

前述した大きな三つ以外にも、よく噛むことで得られるメリットは多数存在しています。
たとえば、よく噛むことは顎の運動になるため、歯並びが良くなるというポイントがあります。
噛む力そのものが発達することで、硬い食べ物でもしっかりと食べることが出来ますから、食事の楽しみそのものも単純に倍増していきますよね。

また、顎周りの運動になるため、首をはじめとした顎周辺のエクササイズにも繋がります。
最近フェイスラインがたるんできてしまったと悩む人や、二重顎を改善したい人は、特別な運動を始めるより先に、まずは食事をよく噛むことを心がけてみましょう。
若い女性に人気の小顔スタイルも、このエクササイズから作っていくことが出来ますからね。

また、よく噛むことで顔周りの表情がはっきりするようになりますか等、笑顔も輝かしいものになっていきますよ。
そもそも、前述したきた咀嚼のメリットは、健康だけではなくま、その人の美容にも繋がっていくものばかりです。
よく噛むことは早食いを避けることにも繋がりますから、健康面においては特に大きな役割とも言えますしね。

花・植・食

学校では学べないこと

これから社会を担っていく大切な存在である子どもたち。
そんな子どもたちには、学校で学ぶ以外にも、様々な学習が必要になります。
そのうちいくつかを紹介していきましょう。

なかなか耳にしたことは少ないかもしれない「花育」という教育があります。
幼いころから花や緑に触れたり、育てたりという経験を積んでいくことで、花に親しみ、心豊かな子どもに育てて行こうという教育のことを言います。
情操教育における効果はもちろんのこと、花や緑を育てる知識活動と組み合わせることで、地域の活性化や、世代間のコミュニケーションにも繋がるとされています。

ちなみに、農林水産省が定める「花育」の意義は、これらに加えて、四季に応じた花きを楽しむ日本の花き文化の伝承も期待しています。
「全国花育活動事例集」として、全国各地での取り組みを推奨しているのですよ。
花育のパターンは様々で、季節の花でフラワーアレンジメントを楽しんだり、花のある風景をスケッチしたり、花苗を植えたり収穫したりなど、色々な方法が展開されています。

花育から繋がっていく「植育」について

前述した「花育」ですが、決して「花」に限ったことではありません。
土に触れること、植物の成長を見守ること、収穫したものを毎日に活かしていくことは、「花育」だけに止まらず、植物全体を教育に活かしていく「植育」と言えるでしょう。

もちろん、この植物との触れ合いは、小さな子どもの教育だけに限って効果を発揮するわけではありません。
情操面に働きかける作用というのは、時に大人にとっても必要である場合も多いのです。

土をいじり、植物を育て、木々や花々を観察すること、収穫を堪能することは、心身の健康にも繋がります。
このことを医療に活かす「園芸療法」は、その代表的な例でしょう。
また、高齢者施設などにおいても、園芸関係のレクレーションは、良質な刺激材料になるため、多く取り入れられているのです。

植育はやがて食育にも繋がっていく

植物も花も、決して見た目に鮮やかな美しいものばかりではありません。
目立たないもの、地味なもの、様々なものが存在しています。

それらは含めて命であり、その存在がなくては成り立たないものがたくさんあるのです。
その全貌を知ることもまた、「花育」「植育」の目的のひとつであると言えるでしょう。

育てる花や植物が、野菜や果実であれば、その収穫したものを食べることも出来ます。
それはやがて「食育」にも繋がっていきます。

自分たちで知り、育て、収穫したものを食べるということは、食育においてとても大きくすばらしい効果を発揮するものと言って良いでしょう。
野菜嫌いな子どもも、自分で育て収穫した野菜は喜んで食べるはずです。

アレルギーから学ぶ

食材が身体に合わないことも

厚生労働省の定める「食物アレルギー」とは、摂取した食材を身体が異物として認識してしまい、自分の体を守るために、過敏な反応をしてしまうこととされています。
この場合、身体が反応してしまうのは、正確には食材そのものというよりは、食材に含まれるタンパク質ということになりますね。

食物アレルギーによって引き起こされる過敏な反応は、個人や食べ物によって様々です。
そのときの体調によって、症状が異なる場合もありますね。

主な症状として知られるものでは、皮膚がかゆくなる、じんましんがでる、咳などのものが挙げられます。
更に重い症状となると、意識がなくなってしまう場合や、血圧の低下によるショック状態なども挙げられます。
これらは非常に危険なものとなりえるパターンです。

現在、日本国内には食物アレルギーを持つ人が1~2パーセント存在すると言われていますが、正確な数は把握されていません。
しかし、乳児に限定するとその数は約10パーセントにも及ぶとされており、小さな子どもほどアレルギーの保有率は高いと言えるのです。

アレルギー物質の食品表示について

現在、食物アレルギーに対する有効な治療手段は確立されていません。
つまり、食物アレルギーということが発覚した以上、その食べ物は決して食べてはいけないのです。
それが最も効率が良い治療方法であり、予防策でもあるのです。

このために、平成13年度からは厚生労働省から、特にアレルギーを持つ人が多い七品目に関しては、必ず食品のパッケージに使用を明記しなくてはいけないという食品衛生法上の義務が発せられました。
その七品目とは、「卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生」。
更に明記は義務ではありませんが、理想であるとされる20品目が、「あわび、いくら、いか、俺な時、キウイフルーツ、カシューナッツ、くるみ、牛肉、ごま、さば、さけ、大豆、鶏肉、バナナ、まつたけ、もも、豚肉、りんご、やまいも、ゼラチン」となっています。

見落としてしまいがちなアレルギー表示のこと

アレルギー物質の表示方法には、原材料ひとつひとつの足にアレルギー物質を表示する「個別表示」と、原材料名の欄にまとめて記載する「一括表示」の二つのパターンがあります。
そのため、一括表示の場合は、どの原材料に何のアレルギー物質が含まれているのか分からなくなってしまうというデメリットがあるのです。

また、原材料自体にアレルギー物質が含まれていなくても、添加物にアレルギー物質が含まれている場合があります。
食品の形状維持や、食感を良質にするために使用される決着剤には、リン酸塩や乳由来のカゼリンナトリウム、卵やゼラチンが使われているため、気をつけるようにしましょう。

食育のサイト

自分に合った食育を選ぶ

食事における教育である「食育」。
健康的な毎日を送っていくために、子どもにとってとても重要なものですよね。

しかし、一口に食育といっても、なかなか多岐に渡るというもの。
一筋縄ではいかないものですから、いくつか食育の参考になるサイトを挙げていきましょう。
あなたの目指す食育や、お子さまの体調、スタイルに合わせて適切なものをチョイスしていくようにしてください。

テレビコマーシャルでもおなじみの「Food Action Nippon」

有名人を起用したテレビコマーシャルで話題にもなった「Foon Action Nippon」。
農林水産省が立ち上げたプロジェクトであり、目的は日本国内の食料自給率の向上です。

たんぼの草刈り体験のレポートや、お米の魅力の紹介など、日本ならではの食事風景やそのルートを紹介しています。
お米に力を入れているのが特徴ですね。
日本ならではのソウルフードとも言えるものですから、参考にしやすいでしょう。

四年連続でグッドデザイン賞に輝いた「こども赤かぶ塾」

なんと四年連続でグッドデザイン賞に輝いている食育プログラムが「こども赤かぶ塾」です。
らでぃっしゅぼーやを知っている人も多いのではないでしょうか?

サイト内には、野菜や果物の様々な魅力について紹介するコンテンツが満載です。
伝統野菜の紹介や、農産物の図鑑などがたっぷり掲載されているため、小さな子どもでも楽しむことが出来るでしょう。
野菜の保存方法も紹介されいるので、今日から使える豆知識がほしい人にもおすすめです。

毎日の生活のヒントに出来る「時短生活ガイドSHOW」

短い時間でおいしい食事が作れる裏技をはじめとして、毎日の生活の時短スキルをたくさん紹介している、人気番組「時短生活ガイドSHOW」。
人気タレントによるコーナーも話題となり、クッキングブックなども発売されている注目番組でもあります。

お米を20分で炊いてしまう裏技や、同じ鍋でトマト料理を同時にふたつ作り上げてしまう魅力のスキルなどを多数紹介しています。

コンセプトは「時短」ですが、時間を短縮しても料理や生活のクオリティはしっかりと保たれているのがポイント。
作業時間を節約することで、より豊かな生活を送れるようになるでしょう。

ママタレントが展開する生活の工夫たち

元国民的アイドルの渡辺美奈代さんのブログには、毎日の夕食や子どもが喜ぶキャラ弁当などが紹介されています。
楽しくて勉強になるサイトのひとつですね。

元サッカー日本代表の本田選手の奥様、高岡由美子さんのブログも、毎日のおかずや子ども向けのお弁当、ホームパーティーの様子などをレシピつきで掲載しています。
使いやすい調理グッズの紹介もありますよ。